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債権譲渡と借り換えの過払金計算の判決

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八女簡易裁判所令和元年6月18日決定

 

新生フィナンシャルの過払金と旧レイク文書提出命令

新生フィナンシャルに対する過払金請求で、株式会社エル、株式会社レイクなどの旧レイクとの取引一体性が争われた場合にはチェックしておくと良いかもしれない、文書提出命令に関する決定です。。

 

八女簡易裁判所令和元年6月18日決定

 

レイクブランドを展開する新生フィナンシャルとの過払金裁判で、文書提出命令の申立がされた事例です。

裁判所は、文書提出命令を出しています。

対象の文書とされたのは、以下の文書。

新生フィナンシャルが、平成10年11月ころ、旧レイクに対して金員の融資をした際、新生フィナンシャルと旧レイクとの間で作成した融資契約書(金銭消費貸借契約書)
上記の貸付債権を担保するため、旧レイクが新生フィナンシャルに対し、顧客に対する貸付債権に担保を設定した際、新生フィナンシャルと旧レイクとの間で作成した担保設定契約書又は上記担保設定契約の内容が記載された文書

 


事案の概要

申立人は、新生フィナンシャルに対し過払金の請求をしていました。

そのなかには、申立人と(株)エル (旧商号:(株)レイク。「旧レイク」)との間の取引が含まれていました。

申立人の主張は、旧レイクで締結した金銭消費貸借契約における旧レイクの地位が相手方である新生フィナンシャルに承継されたというもの。

これにより、申立人と旧レイクとの間の取引(「旧レイク取引」)及び申立人と相手方との間の取引 (「相手方取引」)は一連の取引であると計算して過払金の返還請求をしていました。

旧レイク分の取引も一連計算できるなら、過払金の金額は多くなるという事案です。

新生フィナンシャルは、これを承継しないと反論。

 

文書提出命令の申立

平成10年11月2日当時、旧レイクがレイク(株)(相手方の旧商号。)から融資を受けるため、旧レイクが顧客に有する消費者金融債権(約5300億円)を担保に供し、その担保設定契約又は融資契約(金銭消費貸借契約)において、担保に供した消費者金融債権に係る顧客の返済金を相手方が受領して、旧レイクの相手方に対する融資債務の弁済に充てること(相殺)等、実質的には相手方が収受することを約していたこと(以下「本件収受事実」という。)を立証するため、民事訴訟法220条3号後段、4号により、相手方が所持する本件各文書の提出を求める申立てをしたという流れです。

申立人としては、旧レイクと相手方との合意の際に、過払金も承継すると評価できるような合意があったとして、その契約書を提出するよう求めたものです。

 

新生フィナンシャルの反論

これに対し、新生フィナンシャルは、本件各文書について、新生フィナンシャルが所持しているわけではないところ、仮に、相手方が所持しているとしても、旧レイクと相手方間の法律関係について作成された文書であるから、法220条3号後段を根拠とした提出義務はなく、また、いかなる資産を担保の対象とするかは与信のノウハウに直結するものであり、したがって、本件各文書は、法197条1項3号の「職業の秘密」に当たることから、法220条4号ハに該当するし、さらに、旧レイクと相手方との間でのみ利用されるべき文書であり、同県4号二の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に該当するから、いずれにしても相手方には提出義務が認められることはないとし、さらに、先決関係として、相手方取引の内部において、取引の分断が認められることから、旧レイク取引と相手方取引との一連性が肯定されたとしても、本件の結論を左右することはない等を理由に、文書提出命令を発令する必要性はないと主張して、本件申
立ての却下を求めました。

文書提出命令の申立要件について、徹底的に争っていました。

 


本件各文書の存在等について

文書提出命令を出すには、まず、そのような文書が存在すると認められなければなりません。

裁判所は、この点を最初に認定しています。

一件記録によれば、ゼネラルエレクトリックキャピタルコンシューマーローン(株)(相手方の旧商号)が、旧レイクに対し、旧レイクの有する消費者金融債権(約5300億円)を担保に融資をしたことが認められるとしています。

客観的な事実の認定です。

 

そうすると、旧レイクと相手方との間において、本件各文書が作成されたこと、そして、相手方が本件各文書を所持していることが推認される。

融資という事実関係があったのであれば、法的な文書が作成されているだろうという認定。

 

新生フィナンシャルの反論についての検討

その後、新生フィナンシャルの反論が通るのかどうかを検討しています。


220条3号後段該当性について

同号後段のいわゆる法律関係文書とは、挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成された文書に限らず、その法律関係に関連のある事項を記載した文書も含むが、専ら所持者の自己使用のために作成された内部文書やこれに準ずる文書は当たらないものと解される。
本件各文書は、相手方が、旧レイクに対し、申立人を含む旧レイクの有する消費者金融債権を担保に融資をした際に作成したものと推認されるところ、その内容次第によっては、申立人が過払金返還請求権を行使する相手について判断するための重要な文書と考えられることから、本件各文書は、いずれも法律関係文書に当たるというべきであるとしています。

 

次に、本件各文書は、旧レイクと相手方との間で作成された文書であることからすると、専ら所持者である相手方の自己使用のために作成された内部文書に当たるとは考え難い。
よって、本件各文書は同号後段文書に該当しないというべきである。

自分のために使う文書であれば内部文書なので文書提出命令は認められませんが、契約書類ですので、内部文書とは違うだろうという認定。当然の結論です。


220条4号ハ該当性について

同号ハが引用する法197条1項3号に規定する「職業の秘密」とは、その事項が公開されると、当該職業に深刻な影響を与え、以後その遂行が困難になるものをいうと解される(最高裁第一小法廷平成12年3月10日決定)。

まず、最高裁による定義から。

これを本件についてみると、本件各文書は20年以上前に作成されたものであり、その後、旧レイクから相手方(新生フイナンシャル(株))に至るまで吸収合併等を繰り返した経過などを勘案すると、旧レイクと相手方間の法律関係はすでに終結しているものと思料される。

そうすると、本件各文書が公開されることによって、相手方の業務が深刻な影響を受けて、以後その遂行が困難になる
状況を招くとは考え難い。よって、本件各文書は同号ハに該当しないというべきである。

こちらも、相当に昔のものということで開示による影響は少ないとして新生フィナンシャルの主張を排斥。

 

220条4号二該当性について

ある文書が、その作成目的、記載内容、これを現在の所持者が所持するに至るまでの経緯、その他の事情から判断して、専ら内部の者の利用に供する目的で作成され、外部の者に開示することが予定されていない文書であって、開示されることによって、個人のプライバシーが侵害されるなど、所持者の側に看過し難い不利益が生ずるおそれがあると認められる場合には、特段の事情がない限り、当該文書は、同号二所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たると解するのが相当である(最高裁第二小法廷平成11年11月12日決定)。


これを本件についてみると、前記のとおり、本件各文書は、旧レイクと相手方との間で作成された文書であり、専ら内部の者の利用に供する目的で作成された文書とはいえず、また、開示されたところで、相手方に看過し難い不利益が生
ずるおそれは認められない。

こちらも新生フィナンシャルの主張を排斥しています。


証拠調べの必要性は?

決定では、文書提出命令の必要性についても触れられています。

 

相手方は、本件各文書につき、そもそも所持を認めず、仮に所持しているとしても、任意の提出を拒否していることから、その申出を文書提出命令の方法による必要性が認められるとしました。

また、新生フィナンシャルは、新生との取引内でも、分断があることから、過去の過払金はどちらにしても消滅時効と主張しています。もし、そうだとすると、文書が提出されて、旧レイク取引が一体だとしても、分断が認められるならば、結局、旧レイク取引も時効となってしまいそうです。

この点についてはどうでしょうか。


相手方は、相手方取引内に分断が存在していることから、旧レイク取引との一連性が認められたとしても、本件の結論を左右することはないこと、また、本件収受事実が立証されたところで、旧レイクの申立人に対する過払金返還債務が相手方に承継される理由にはならないこと、仮に平成10年11月2日時点で旧レイクの申立人に対する貸付債権が存在していたとしても、同月19日には新レイクに切替えが行われたことから、同貸付債権は、債権譲渡担保の対象から除外されていることを理由に、証拠調べの必要性がない旨を主張している。


そこで検討するに、現段階において、相手方取引内で分断が生じているか否か判然としないこと、また、本件収受事実が明らかになれば、旧レイクの申立人に対する地位につき、相手方が承継した可能性を裏付けるひとつの事情ともなり得ること、そして、平成10年11月2日時点において、旧レイクの申立人に対する貸付債権が存在していたとすると、旧レイク取引と相手方取引の一連性を見極める上で、本件収受事実との関連を解明する必要があることが、それぞれ認められる。

分断と判断するかについては、全体の取引を見る必要もありますので、新生フィナンシャルの主張は順序が逆という話です。

このような流れで、文書提出命令の申立を認めています。

 

新生フィナンシャルに対する過払金裁判で、旧レイクからの承継が争われた場合には、このような主張、戦法をとってみるのも一つの方法でしょう。

 

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