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取引分断と準消費貸借の判決

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大阪地裁平成30年10月18日判決

 

取引分断と準消費貸借の判決

過払い金の計算の際に、取引分断が争われたケースです。

被告は、CFJ合同会社です。

 

事案

第1取引と第2取引の一体性、分断等が争われたケースです。

第1取引はアエルが貸主で、それをCFJが承継しているため、第2取引とは貸主が違うという事情がありました。

第1取引の過払い金を第2取引に充当できるかどうかは、複数の要素によって判断するというのが最高裁の考えです。

 

この点、借主に不利な事情として、

第1取引と第2取引について、

・貸主が異なっていること

・第1取引は極度額を50万円とする元利定額リポルビング方式であり、第2取引は極度額を120万円とする元利定額残高スライドリポルビング方式であるなど、契約条件が異なっていること

・被告が、第2基本契約の締結に当たって、独自の与信審査を行っていること

・被告は、アエルから、譲渡担保権に基づき、第1取引に係る貸付金債権を譲り受けただけであり、第1取引に係る過払金債務を引き受けたり、第1取引に係る契約上の地位を引き継いだりしたわけではないこと

などがあります。

これは計算の一体性を否定する要素となります。

 

借主に有利な事情

これに対して、借主に有利な事情もありました。

・第2取引が開始されるに至った経緯

被告が、アエルから、第1取引に係る貸付金債権を確定的に譲り受け、すぐに、アエルから譲り受けたと通知。

その際、第1取引の弁済については、アエルではなく、被告に対して行うよう案内。

また、継続的な金銭消費貸借を希望するのであれば、被告に対して申込みをするように案内。

これにより第2基本契約が締結され、第1基本契約が第2基本契約に切り換わったとして、第2取引が開始された。

 

・取引履歴の記載

原告は、被告に対し、第2基本契約前に、3万円の弁済をしたところ、被告が、この弁済について、第1取引の取引履歴には記載しないで、第2取引の取引履歴に記載した。

被告自身が、取引を混同していた要素となります。

 

・未収利息の処理

被告が、第1取引の未収利息について、第2取引の未収利息として計上するという処理

第2取引の弁済で、第1取引の未収利息を支払った計算。



裁判所の判断

「第1取引と第2取引は、前記(1)の各事情にかかわらず、揮然一体となっているものといわざるを得ず、不可分の1個の連続した取引と評価するのが相当である。」

取引一体性を認めて、借主に有利な計算を採用しています。

なお、その他、数日の遅れで遅延損害金の主張をしている点について

「本件全証拠をもってしても、被告が、原告に対し、弁済が行なわれたとしても、遅延損害金を免除したり、期限の利益を再付与したり(期限の利益喪失を宥恕したり)するわけではなく、単に遅延損害金の請求を留保して、利息の請求にとどめているだけである旨の説明をしていたとは認められず、かえって、証拠及び弁論の全趣旨によれば、被告は、敢えて上記説明をしないで、原告との間で第2取引を継続していたものであり、本訴になって初めて、上記説明に沿った主張をするようになったものと認めるのが相当であることを併せ考慮すると、原告が第2取引の約定弁済日の弁済を怠っても、6日未満の遅滞である場合には、被告は、その弁済を受けた日に、原告に対し、同日までの遅延損害金を免除するとともに、期限の利益を再付与し(又は期限の利益喪失を宥恕し)、また、6日以上の遅滞である場合にも、被告はその弁済を受けた日に、原告に対し、期限の利益を再付与した(又は期限の利益喪失を宥恕した)ものと認めるのが相当である。」

として、貸金業者側の主張を否定しています。

 

 

大阪高裁令和元年5月8日判決

大阪地裁の判断に対して、CFJが不服だとして、控訴。

大阪高裁は、次のように判断。

 

「(1)控訴人が、平成15年9月19日、アエルから、第1取引に係る貸付金債権を確定的に譲り受け、同日頃、被控訴人に対し、上記貸付金債権をアエルから譲り受けた旨を通知し、その際、被控訴人に対し、第1取引の弁済については、アエルに対して行うのではなく、控訴人に対して行うように、また、控訴人との間の継続的な金銭消費貸借を希望するのであれば、控訴人に対して申込みをするように案内したところ(前提事実(2)ア、イ)、被控訴人から継続的な金銭消費貸借の申込みがあり、控訴人と被控訴人との間では、同年10月6日付けの第2基本契約が締結され、第2取引が開始され
ている(前提事実(4)アーオ)。そして、第2取引の第1回目の貸付けは、第2取引の基本契約書作成前にされているが、その金額は、同貸付けがされた平成15年10月6日当時の第1取引の残債務47万8487円(約定利息計算に基づく残元金47万4690円、既発生の約定利息3797円)のうち残元金の額に相当する47万4690円である(前提事実(4)イ)。
(2)控訴人は、この第2取引の第1回目の貸付けは消費貸借であると主張し、その上で、第1取引と第2取引とが1個の連続した取引ではないと争っている。
しかし、そもそも、この貸付けは、第2取引の継続的な金銭消費貸借に基づいて行われたものとされているが、その基本契約書が作成される前に実行されており、被控訴人に対する現実の金銭交付を伴っていないものである。そして、控訴人においては、その貸付金を上記第1取引の残債務のうち元金部分に充当し、未収となった第1取引についての既発生の約定利息を第2取引の未払利息に計上する扱いをすることでアエルから譲り受けた債権(第1取引による債権)が消滅した扱いとしているが、借主である被控訴人が、第1取引における既存債務の額からあえて既発生の約定利息相当額を残した借入れを第2取引として積極的に申し込むとも考えにくいし、また、第1取引の既発生の約定利息を第2取引の未収利息に計上するという特殊な処理を被控訴人が望んだとは考えにくく、かといって、控訴人からそのような処理をした理由について合理的な説明が被控訴人に対してされていた経過は認められない(被控訴人との間で、そのような処理をする旨の合意があったとの控訴人の主張は採用できない。)。
これらの事実関係によれば、現実の金銭交付を伴わない第2取引の第1回目の貸付けは、被控訴人による継続的な金銭消費貸借の申込みが契機となってされた貸付けではあるが、それ自体は、第2取引を開始するに当たり、被控訴人に対するアエルからの讓受債権(第1取引による債権)を弁済された扱いとし、これにより、被控訴人との間の金銭消費貸借取引を第2取引にまとめる目的でしたものと推認するのが相当である(第1取引の既発生の約定利息を第2取引の未収利息とした処理は、金銭消費貸借取引を第2取引にまとめるに当たり、第1取引の既発生の約定利息をも第2取引による新規貸付けの対象に含めると、その部分で重利の問題が生じることから、これを避けるためにした処理と理解できる。)。
そうすると、第2取引の第1回目の貸付けは、実質的には、旧債務を新たな消費貸借の債務とすることを目的としてされた貸付けであって、法的には、第1取引の旧債務を目的としてされた準消費貸借と解するのが相当である。」

CFJが第2契約の内容を争ってきたので、裁判所が細かい計算を認定し、その結果、第2取引は準消費貸借とされるに至りました。

過払い金充当の最高裁判決が出る前は、このような法的構成で主張したこともありました。

 

「(3)ところで、第1取引を利息制限法所定の利息の範囲で引直しをすると、第2取引の第1回目の貸付け当時、第1取引の残高は42万1367円であるから、第1取引の旧債務を目的とする準消費貸借である第2取引の第1回目の貸付けは、この額の限度で成立し、これを超える部分が無効であるということになる(最高裁判所第1小法廷昭和55年1月24日判決・集民129号)。そこで、これを前提に、第2取引を利息制限法所定の利息の範囲で引直しをすると、第2取引の第1回目の貸付額が42万1367円であるから、結局、その計算結果は、第1取引と第2取引が不可分の1個の連続した取引であり、過払金充当合意があるものとして計算した結果と一致する(なお、第1取引の残債務は、第2取引の第1回目の貸付けで消滅する。)。」

結局、一体計算と同じ結論になるとして、控訴棄却し、借主に有利な計算が採用されました。

 

アエル、CFJの過払い金請求で分断を主張された場合には、参考にしてみてください。

 

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