よくある質問
Q.過払い金利息の年3%の計算書は?
過払い金の請求では利息も請求できます。
この際、年3%の計算書が必要になることがあるのですが、記事執筆時点で良いものが見当たらなかったので、既存の計算ファイルを修正してみました。
過払い利息計算ソフトの修正のやり方を解説します。
過払い金の計算
過払い金は、過去に利息制限法(だいたい年18%)を上回る利息を払っていた場合、その差額を借金の元金を払ったことにし、それを繰り返して借金がなくなった計算になった後に支払ったお金が戻ってくるという仕組みです。
一回の利息支払いで、元金が減るので、その後に合法な利息額も変わってきます。取引の期間が長ければ長いほど、加速度的に借金が減ることになります。
このような計算を一つ一つするため、計算ソフトを利用するのが通常です。
エクセルなどで対応する計算ソフトが出回っています。
過払い金の利息の利率
さらに、過払い金は発生した後に、利息をつけて計算ができます。
貸金業者に支払った利息ではなく、逆に、こちら側も利息がもらえるというものです。
この過払い利息ですが、民法で決められていた年5%という法定利息が適用されていました。
しかし、2020年4月1日から施行された民法改正で、法定利率は年5%から3%に変更されました。
過払い金の利息を計算する際に、貸金業者側から、2020年4月1日以降は、年3%だと主張されることも出ています。
この主張に対しては反論もあるのですが、確定した判例はありません。ただ、実務上、年3%と考える裁判官も多く、少なくとも、年3%の過払い利息を反映させた計算書の提出を求められることも多いです。
過払い利息年3%の計算ソフト
そこで、過払い利息を年3%に設定して計算できる計算ソフトが必要になります。
しかし、過払い金事件も減ってきたからか、良さげな計算ソフトが見当たりませんでした。
BingAIに聞いたところ、ネット上にはないという回答でした。
AIが知らないなら、仕方ないですね。
過払い利息年3%にカスタマイズ
過払い金の計算ソフトにはいろいろと種類があるようです。
ジン法律事務所弁護士法人では、過払い金事件はかなり昔から取り組んでいますが、いわゆる名古屋式と呼ばれる計算ソフトを採用しています。
何回かバージョンアップされていたようなのですが、サイトから入手したか、書籍のCDから入手したか覚えていません。
こちらの計算ソフトもバージョンアップしていないようですし、書籍の改訂版も出なさそうですので、自分でカスタマイズするしかなさそうです。過払い金事件も構造上減っていますし、新しい判例等もそんなに出ていないようですので、仕方がないですね。
エクセルの関数などは、それほど詳しくなく、詳しそうだったスタッフも抜けてしまったので自分でやってみます。
参考までに画像を載せておきます。もちろん元ファイルのコピーを作るなどして試すようにしましょう。
利用ソフトの画面は、これです。
右の方の緑のところで、過払い利息の利率を設定できます。
貸金業者から、過払い利息なしと主張されることもあり、その場合の金額がいくらなのか確認するときに0を選択します。基本は5%です。
武富士が倒産する前という遥か昔には、過払い利息が年6%ではないかという争点もありました。5と6の間をとって和解交渉していたようなこともあったのですが、最高裁判決で否定され、年6%の請求は難しくなりました。
まず、どんな計算式で過払い利息が計算されているのか確認します。
過払い利息のところをクリックすると、うえに計算式が表示されます。
この意味がわからないので、ChatGptに解説してもらいます。エクセルの解説とか大得意分野ですね。
セルO8とかY8とか出てくるのですが、O列、Y列が見えません。
M,Nの次が、AKとなっています。
どうやら、素人が間違えて触らないように、非表示にされているようです。
そこで、ここを再表示させます。非表示部分を挟んでいる2列を選択します。
右クリックでメニューを出して「再表示」をクリック
怖そうなのがいっぱい出てきました。
よく見ると、薄く小さい字で表示されている数字があります。
0.05と書いてあるので、これが過払い利息の利率を表示しているとわかります。
そのセルを選択すると、計算式が表示されます。
計算式の解説は、再びChatGptに説明してもらいます。
0,5,6の3種類の数字を返してくる式なので、過払い利率の設定と同じ3種類であることがわかります。
この6を3に書き換えちゃえばいいんじゃない?
と考え、計算式の6を3に変更。
緑のところで6%を選択すると、過払い利率が3%と表示されるようになりました。
実際の取引データを入力すると、過払い利率0%より高く、過払い利率5%より低い数字になっているので、たぶん3%に修正されました。
実際に裁判所に提出するときには、検算します。
面倒なので、緑メニューの6%の表示は変えていません。
過払い金の裁判も減ってきていますので、とりあえずこの程度の省力化修正で対応します。
過払い金の裁判を起こしたところ、裁判所から年3%の計算書を出すように言われ、お困りの方は参考にしてみてください。
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